世界中から多様なアートが集まる都市・ニューヨーク。その中でも今、静かに注目を集めているエリアがトライベッカです。歴史ある街並みにギャラリーが次々と誕生し、アートシーンの新たな発信地として進化を遂げています。そんなトライベッカにある「One Art Space Gallery」で、2023年4月、油彩画家・宮内紀子氏の個展「彩りに身をゆだねて」が開催されました。繊細かつ感情豊かな色彩の世界が、多くの来場者を魅了しました。
会期:2023年4月11日(火)~15日(土)
会場:One Art Space Gallery ワン・アート・スペース・ギャラリー(23 Warren St, New York, NY 10007, USA)
NYアートの最前線、トライベッカから世界へ――One Art Space Gallery
アートの中心地として知られるニューヨークには、チェルシー、ソーホー、ロウアー・イースト・サイドといったギャラリーが密集するエリアが点在し、コンテンポラリーアートの名作からストリートカルチャーを反映した作品まで、多種多様な表現に触れることができます。そんな多彩な魅力を持つ街の中で、いま特に注目されているのがマンハッタン南部のトライベッカです。
もともとはウォール・ストリートに隣接するビジネスエリアとして発展しながら、近年ではアクセスの良さと落ち着いた街並みから、ハリウッド俳優や著名なクリエイターなどが暮らす高級住宅街としての一面も持つようになりました。地域の再開発が進むにつれて、洗練されたショップや人気レストラン、カフェなども続々と登場し、街全体がスタイリッシュに生まれ変わっています。
さらに、著名ギャラリーの移転を機に、アートスペースの進出も加速。トライベッカは今、新たな「アートの街」としての地位を築きつつあります。
その中心に位置するのが、「One Art Space Gallery」です。

世界を旅した光と色彩がニューヨークに集う
2023年4月、2年半に及ぶコロナ禍を経て、宮内紀子氏の個展「彩りに身をゆだねて」がニューヨークで開催されました。
宮内氏は、頭の中に浮かんだイメージを、美しい色彩、光の軌跡を思わせる大らかなタッチで描き出す油彩画家です。作品には、絡み合う紐や巧みに配置されたモザイク模様、波打ち際の水面など、抽象と具象が共存し、鑑賞者を想像の世界へと誘います。具体的な図像と抽象的な空間を見事に調和させるバランス感覚と色彩表現は、見る者に「感情の揺らぎ」をもたらし、安らぎや高揚といった多様な感覚を呼び起こします。
本展では、東京、パリ、ドバイと世界を旅してきた22点の作品が一堂に会し、ニューヨークの街角を鮮やかに彩りました。宮内氏ならではの視点から生まれた心象風景の数々が、訪れた人々の心に深く響く展示となりました。

ニューヨークでも高評価 鑑賞者の心に残る展示に
会場には、アートファンはもちろん、ニューヨークで活躍するクリエイターや法律関係者など、多彩な来場者が訪れました。オープニングパーティーには、日ごろからギャラリー巡りを楽しむ人々も足を運び、空間を彩る鮮やかな色彩の世界に魅了されている様子が印象的でした。
来場者からは、「作品のキュレーションが素晴らしい」「色の輝きが美しい」「どの作品にも強く惹きつけられた」といった声が寄せられ、展示が心に深く届いたことがうかがえます。なかには、「彼女がまたニューヨークで展示をする際にはぜひ知らせてほしい」と再訪を願う声もあり、宮内氏の作品が多くの人々に感動と記憶を残したことを物語っています。
