絵画の梱包方法とは?梱包テープ・資材の違いと手順を解説絵画の梱包方法とは?梱包テープ・資材の違いと手順を解説
絵画の梱包方法とは?梱包テープ・資材の違いと手順を解説

絵画の梱包方法とは?梱包テープ・資材の違いと手順を解説

公開日:
2025-09-03
絵画など美術品を安全に発送するためには、正しい梱包方法と適切な梱包資材の選び方が重要です。
特に作品を海外の展示会に送る際など、輸送距離が長く環境の変化が大きい場合は破損や傷みから守るための十分な準備が欠かせません。
本記事では、絵画の梱包手順に加え、梱包に使うテープの違いと注意点をわかりやすく解説します。

絵画の梱包方法とは?基本手順3つ

ここでは絵画を梱包する際の基本の手順をご紹介します。

用意するもの

絵画を梱包するにあたって必要なものはこちらです。

① 絵の表面を保護するもの
② 緩衝材・外装材
③ 各種テープ

基本の手順

絵画を送る際の梱包の仕方の基本手順は下記の通りです。

  1. 絵の表面を保護する
  2. 内箱に入れる
  3. 外箱に入れる

1つずつ解説します。

1. 絵の表面を保護する

繊細な絵画の表面を保護するために、下記の資材を使って絵画の表面を覆うことをおすすめします。

  • ラミネート紙、クラフトマスカー 
  • 和紙、グラシン紙

絵の表面を保護する資材それぞれの特徴と適した作品はこちらです。

資材特徴適した作品
ラミネート紙、クラフトマスカー絵具と接着しにくい油絵・アクリル画など
和紙、グラシン紙透湿性があり湿気をこもらせない日本画、墨絵、書道作品など

これらの紙を作品より大き目にカットして作品を包み、マスキングテープで留めます。
作品をぐるっと巻いてもOK。

また、仮縁やアクリルパネル入りの額を使うことで、展示中も含めて作品表面の接触リスクを減らすことができます。

2. 作品サイズに合った箱(内箱)に入れる

表面を守ったら、作品のサイズに合った「かぶせ箱」や「たとう箱」(=内箱)に作品を入れます。

輸送中の傷みから作品全体を守ってくれるうえ、取り出しや収納が簡単な箱を使用することで、展示作業に伴う破損リスクが減らせます。

仮縁を購入すると箱も一緒についてくることが多いですが、適当な箱がない場合、サイズに合ったものを作成することもできます。

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本体とふたにわかれる「かぶせ箱」

出典:308×265×35(C式(蓋)(身)セット)(白)

留め具がある「たとう箱

出典:【F10号サイズ対応】絵画・額縁発送用さし箱

どうしても内箱が用意できない場合、絵画をプチプチ(エアキャップ)で二重~三重に包み、テープで留めます。
プチプチを留めるのは、後から剥がしやすい養生テープがおすすめです。

【注意】
作品の表面には凹凸のない、つるつるの面があたるように梱包しましょう。
特に1.の工程で絵の表面を保護していない場合、凸面が作品の表面に直接触れていると、プチプチの跡が残ってしまう危険があります。

3.外箱に入れる

サイズの合った内箱に作品を入れたら、下記の手順で必ずダンボールなど衝撃に強い外箱に入れます。

  • 絵画より少し大き目のダンボール(外箱)を用意する
  • 緩衝材(丸めた紙やプチプチ(エアパッキン)など)を底に敷き、作品を入れる
  • 側面にも緩衝材を詰めて、作品が箱の中で動かないように固定する

作品が複数ある場合は、それぞれの作品が入った内箱をまとめて大きめの外箱に入れ、周囲に緩衝材を詰めて固定してください。
この方法であれば、作品同士が直接触れて擦れたり、輸送中に衝撃でぶつかり合ったりするリスクを防ぐことができます。

【注意】
絵画をプチプチ(エアキャップ)で包んだだけの状態で発送することは、大きな破損リスクがあります。 梱包の強度が不十分で、輸送中の衝撃や圧迫で作品が傷ついたり、角が折れたりする可能性があります。必ずダンボールなど衝撃に強い外箱に入れましょう適切なサイズのダンボールを1枚から特注できるサイトの利用もおすすめです。

なお、海外の展示会などで何度も出し入れを行う場合は、巻き段ボールのように柔らかい素材は傷みやすいため、使用はあまりおすすめできません。耐久性のある厚手のダンボールや、専用の輸送箱を選ぶと安心です。

梱包テープ一覧

梱包の仕上げに欠かせないのがテープの選び方です。
テープは素材や用途に応じて使い分けることで、梱包の安定性が格段に上がります。

下記の表では、よく使われるテープの種類ごとに、メリット・デメリット・使う場面を整理しています。

テープの種類メリット・働きデメリット使う場面
マスキングテープ綺麗にはがれやすい粘着力が弱い表面保護の素材の固定
養生テープ比較的接着力が強いはがす際、ビニール素材以外は傷めるプチプチやビニールなどの固定
ガムテープ粘着力が強い
手で切って使いやすい
はがしにくい外箱・ダンボールの固定
透明テープ粘着力が強い
見た目がよい
はがしにくい外箱・ダンボールの固定

なお、テープは作品に直接触れないようにしましょう。作品にテープが貼りついてしまうと、剥がすときに作品が傷つく可能性があります。

まとめ

作品を送る際、特に海外に送る場合など輸送距離が長く環境の変化が大きいときは、正しい梱包と適切な資材選びが重要です。

本記事でご紹介した手順を参考に、作品の表面保護から緩衝材・外装材、テープの使い分けまで丁寧に行うことで、破損や汚れのリスクを大幅に減らせます。

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