円安で輸出は本当に有利?中小企業が「儲かる」ための戦略とは

公開日:
2025-11-06
円安で輸出は本当に有利?中小企業が「儲かる」ための戦略とは
円安で輸出は本当に有利?中小企業が「儲かる」ための戦略とは

円安が進んでいる昨今、「輸出は有利」「今がチャンス」といった声を耳にする機会が増えています。
しかし一方で、「何から始めればいいのかわからない」」という中小企業の声も少なくありません。

この記事では、「そもそも円安・円高とは?」「なぜ輸出が有利になるのか?」といった基本から、円安局面で企業が利益を伸ばすためにおすすめの戦略まで、わかりやすく解説します。

円安・円高とは?

「円安」「円高」とは、外国通貨と比べた円の価値を示します
たとえば1ドル=100円が1ドル=150円になると、1ドルを得るためにより多くの円が必要になるため「円安」、逆に1ドル=80円のように少ない円で買えると「円高」です。

円の価値は、輸出入を行う企業に大きく影響します。
円高のときは原材料を安く仕入れやすい一方で、日本の製品は海外で割高に感じられがちです。
円安になると輸出しやすくなる反面、輸入コストが上がるなどの負担も生じます。

つまり、為替の変動によって「誰にとって有利か・不利か」は変わるため、状況を正しく理解することが重要です。

円安で輸出は有利になる?

基本的に、円安は輸出に有利です。

理由はシンプルで、海外で得た外貨を円に換えたときの金額が増えるからです。
たとえば1ドル=100円のときに1万ドルの売上があった企業は、100万円の売上になります。
しかし、1ドル=150円なら同じ1万ドルでも150万円。
為替の変化だけで50万円も多くの円を受け取れる計算です。

また、海外の顧客にとって日本の商品が割安に感じられ、競争力がアップします。
たとえば日本で1万円の商品を1ドル=100円のときに海外で売ると100ドルですが、1ドル=150円の時なら約66ドルで販売できることになります。

ただし、「有利」なのは実際に海外で売れている企業に限られます。
どれほど円安でも、販路や取引先がなければ利益は生まれません。

【円安】企業が知っておきたいメリット・デメリット 

円安は輸出に有利になりますが、デメリットや注意点もあります。改めて、円安のメリットとデメリットを整理しておきましょう。

メリット

  • 輸出による収益が増える
  • 海外バイヤーから見て価格競争力が上がる
  • 海外販路拡大のチャンス

デメリット

  • 原材料や部品の輸入コスト上昇
  • 海外出張・展示会などの経費増加
  • 為替変動リスク

前述の通り、円安のメリットは、輸出企業にとって収益拡大や価格競争力の向上につながる点です。また、新たな国や市場で“テストマーケティング”を行うチャンスにもなります。

しかし一方で、企業活動におけるさまざまなコスト面ではデメリットもあり、注意が必要です。

たとえば、製造や仕入れに海外の原材料や部品を使っている場合、為替の変動によってコストが大きく上昇します。また、海外出張や展示会出展など、現地での活動費も円安によって割高になり、想定以上の経費が発生することがあります。さらに、為替レートは常に変動しているため、急な円高に転じた場合には利益が圧迫されるリスクもあります。

このように、円安はチャンスであると同時に、コスト管理や為替リスクへの対策が欠かせない局面でもあります。

円安で企業が「儲かる」ためのおすすめの方法2つ

円安のタイミングをチャンスに変えるには、「海外でどう売るか」を具体的に動かすことが重要です。

ここでは、円安期に成果を上げやすい2つの方法をご紹介します。

1.展示会出展

まずおすすめなのが、展示会出展です。

現在、世界中で「日本ブーム」が続いており、日本文化イベントは大人気です。

ヨーロッパ最大の日本イベントである「ジャパンエキスポパリ」では例年約25万人、その次に大きい「マンガバルセロナ」では約16万人の日本ファンが来場します。

これほど多くの現地の反応を直接実感できる機会は、ほかにあまりなく、その場での販売利益はもとより、テストマーケティングの場としても最適です。

フランス・パリ開催「ジャパンエキスポ」の会場風景。例年約25万人が来場する人気イベントとなっている

展示会には一般来場者だけでなく、バイヤーやイベント主催者など、業界関係者も来場します。

実際に、展示会出展がきっかけで来訪したイベント主催者から声がかかり、新たな出展につながったり、メディアからの取材を受け認知拡大につながった事例もあります。

事例紹介▶JapanExpoParis出展でMANGA BARCELONA主催からオファー|MANGA BARCELONA【企業出展】支援事例2024

また、一般来場者が多いこうした大型イベントのほかに、BtoBの展示会に出展することも一策です。

海外現地のバイヤーに直接アプローチできるため、より商談につながりやすいのが特徴です。

事例紹介▶「伝統工芸品」海外の展示会で大型案件を受注した秘訣

2.店舗での委託・テストマーケティング

いきなり大規模な輸出を始める前に、海外ショップでのテスト販売という選択肢もあります。

長期的に実店舗で販売しながら、

  • どんな商品が人気か
  • どの価格帯が売れやすいか
  • 現地の嗜好や購買傾向

といったデータを蓄積できます。

海外のショップで展開される日本製品。現地での人気や反応を直接確認できる

特に、円安によって日本製品の価格競争力が高まっている今、このようなデータや反応を把握しておくことは、将来の本格的な海外進出の準備にもなります。

リスクを抑えたテストマーケティングを実行し、次の出展や契約販売へつなげていくことで、着実に海外展開を進めることが可能です。

まとめ:今こそ海外市場へ。円安はチャンスの合図

円安は確かに輸出企業に有利です。
ただし、「円安だから儲かる」というのは誤解で、「海外で売る力を持つ企業こそが本当に儲かる」といえます。

展示会や委託・テストマーケティングを通じて現地の反応を確かめながら販路を築くことが、為替変化にも強い企業への第一歩です。

円安の今こそ、海外市場を“テスト”から始めてみませんか?まずはご相談ください。

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