これまでニューヨーク、パリ、ドバイなどの世界の大都市で、生き生きとした水辺の生き物たちを描いた日本画を発表してきたアーティスト。ふるさと・日本に帰ってきた作品と共に、京都と東京という2大都市を巡る個展を開催しました。
【京都】
会期:2021年11月3日(祝・水)~11月8日(月)
会場:新風館(〒604-8172 京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2)
【東京】
会期:2022年3月8日(火)~3月13日(日)
会場:渋谷ヒカリエ8階 8/ CUBE1.2.3 (〒150-0002 東京都渋谷区渋谷二丁目 21-1)
京都会場は、街の新たなランドマーク「新風館」
かつて文化・政治の中心地として繁栄した京都。建都から1200年という長い歴史を経た今もなお、その洗練された都市としてのセンスは色褪せず、国内外を問わず、特別なエリアとして認識されています。
京都が古都から近代都市へと移行しつつあった大正15年(1926年)、近代モダニズムの先駆者と呼ばれる吉田鉄郎氏によって、「新風館」の前身となる「旧京都中央電話局」が竣工しました。
その歴史的価値を活かそうと、度重なる再開発を経て、街の新しいランドマークとなる場所となるべく2020年に生まれたのが、ホテル・店舗・映画館からなる複合施設「新風館」です。

ガラス張りのギャラリースペースで展示
コロナ禍のため、感染対策を行いながらの開催となった当個展。平時に比べ外出を控える人も多い中、600人を超える来場者数を記録しました。通路から作品が大きく見えるギャラリースペースのため、「ずっと気になっていた」「2歳の子供が入りたがった」と、引き込まれるように来場したという声も聞かれました。また、実際に作品の購入を決めたいという方も複数名いらっしゃいました。

文化の発信地、渋谷ヒカリエで個展開催
「若者の街」として、長年にわたり国内外から根強い人気を集めてきた渋谷。さらには2012年に渋谷の新ランドマークとして誕生した「渋谷ヒカリエ」を皮切りに、多様なコンセプトに基づく文化・商業施設が次々にオープンし、新しい発想やセンスを取り入れ進化し続けるエネルギーはそのままに、大人な街へと変貌を遂げつつあります。
今回会場となったヒカリエのコンセプトは、“ARTで暮らしの豊かさを提案する”です。近年では、世界で活躍する現代アーティスト・村上隆氏を輩出したギャラリスト、小山登美夫氏が多くの企画展を手掛ける他、常に流行の先端を走り、アート界のランドマーク的な役割を果たしています。
制限ばかりの日々で、改めて発見したアートの力
ヒカリエ8階のギャラリースペースも、ガラス張りが水辺を思わせる会場。上野の森美術館大賞展入選作をはじめ、2021年に京都・新風館での個展を超える26品を展示。多様な生き物を描いた作品で満たされた会場では「生き物に向ける作家の愛が伝わった」という声も多く聞かれ、作品の魅力はもちろんのこと、アーティストの人柄まで伝わる温かな展覧会となりました。
コロナ禍において、東京都より発令された「まん延防止等重点措置」期間中の開催ではあったものの、多くの方々が来場されました。外出自粛や飲食店の時間短縮など、思うように動けない日々が続くなか、私たちの心を解放する、温かさと自由にあふれた6日間でした。
