【事例紹介】花村えい子作品、パリ・アートフェア出展から個展開催へ


ジャパンプロモーションが出展サポートをしている「Art Shopping Paris」。このアートフェア出展をきっかけに、「株式会社アトリエえい子」はパリでの初個展を実現しました。株式会社アトリエえい子とは、少女漫画のパイオニア、故・花村えい子さんの作品を芸術作品として国内外に発信し続けているコンテンツホルダーです。10日間にわたる個展開催という成功の裏側には、どんな取り組みや苦労があったのか。そして、そこで知ったフランスと日本の違いとは? 同社代表の河合みのりさんにお話を伺いました。
株式会社アトリエえい子が毎年10月にパリで開催されているアートフェア「Art Shopping Paris」に出展を決めたのは、フランスで作品を「アート」として発表し続けるためでした。
「先生がご存命の間は、フランス国民美術協会の会員として、作品を『漫画』ではなく『芸術』として発表する機会がありました。当時も『漫画を超えている』と評価をいただいていたので、そういった機会を再び得たいと思っていたところ、このアートフェアを知りました」と、河合さんは言います。
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2023年10月、「Art Shopping Paris 2023秋」に出展したアトリエえい子のブースには、かわいらしい作品が大小さまざまに展示され、先進的にさえ感じられる「花村ワールド」が繰り広げられました。
その中で作品を目にしたギャラリストが放ったひと言が、未来を大きく変えます。
来場したギャラリーの担当者は、展示ブースを見て「個展をやりましょう」と即決したといいます。
「最初は、合同展ならすぐにできるよ、という話だったんです。でも、実際に作品を見ると『素晴らしいので、一部だけではなく全部飾れるよう個展にしたい』とおっしゃって、こちらも『ぜひぜひ』と。すぐに話が決まりました」
ギャラリストの、良いと思ったものに対する情熱の真っすぐさや、日本にはないスピード感が新鮮だったと、河合さんは振り返ります。
そうした作品の魅力や見せ方に加えて、個展開催の重要なきっかけになったのが、事前の承知活動でした。
「漫画『霧のなかの少女』のフランス語版でお付き合いのある出版社から、漫画関係の作品を扱っているギャラリーを紹介いただいていたので、展示を見てもらえるよう担当者をヴェルニサージュ*に招待したそうです。まさに“準備と行動力”がチャンスを広げた好例といえるでしょう。
* 展示会開催の初日に行われるオープニングパーティー
ついに翌年2月、パリ5区にあるギャラリーで10日間にわたり「花村えい子個展」が開催されました。4カ月足らずの準備期間には、思わぬ苦労もあったそうです。
「アテにしていた、紹介者である出版社の担当が忙しすぎて、なかなか話が進みませんでした。最終的にはギャラリー担当者と直接、展示作品から各種権利関係の契約までまとめていったのですが、とにかく時間がありませんでした」
特に、フランスは日本に比べて著作権に関する認識が甘く、その点のズレの修正に苦労したとのこと。
個展前日には、ギャラリストと一緒に河合さん自ら展示調整を実施。
「ギャラリストがストレートに意見を伝えてくるのですが、作品へのリスペクトも感じられたので、かえってやりやすかったです。意見交換しながら調整ができ、良い時間になりました」と振り返ります。
初めてのことに戸惑いや苦労がありながらも、それを乗り越え、無事にヴェルニサージュを迎えることができました。
2024年2月、こうして初のパリ個展「花村えい子個展」が実現。ギャラリー「Achetez de l’Art」にて、10日間開催されました。
会期中にはギャラリーの顧客やインフルエンサーを含む多くの来場者が訪れ、会場は活気にあふれました。
ギャラリストとともに調整を重ねて仕上げられた展示空間は、花村作品の魅力を存分に伝える場となり、現地の観客からも高い評価を得ることができました。
ヴェルニサージュ当日は、作品を前に語り合う来場者の姿も多く見られ、花村作品の魅力が国境を越えて伝わることを改めて確認できる機会となりました。
今後も様々なフランスでの展開を計画中という株式会社アトリエえい子。
ジャパンプロモーションはArt Shopping Parisをはじめ、充実した海外進出の第一歩となる場を提供してまいります。
海外展開にご興味をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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