書籍やカタログとして、手に取れる形になっていることで、それ自体が一つの作品になります。
SNSやウェブサイトなど、気軽に情報に触れられる現代においても、紙媒体の「きちんと感」は健在。信頼性や高級感の演出には欠かせないツールです。
数多くのツール作成を手掛けてきたデザイナー、ライターが制作を社内で一括して対応。狙いを効果的に実現するためのノウハウがあります。
風土、自然、人々、歴史への深い愛情を感じさせる作風で人々を魅了する画家・村田藤子の作品約25点を収載。
50歳から独学で技術を習得し、以来30年以上にわたり創作の道を突き進む彫刻家・石田一馬の作品約20点を収載。
光の操作と実験的手法を駆使し、革新的な写真表現を確立してきた川村泰史作品集。 芸術の都パリ、ギャラリー・オルシャンで行われた氏の個展『平和への 希求』に併せて出版されたものです。 「平和の折鶴」シリーズでは、新聞や憲法条文といったテクストと光を融合させ、折鶴や星が浮かび上がる幻想的な空間を創出。平和への祈りと日本の立ち位置を問いかける強いメッセージが込められています。 作品はインスタレーション的要素を含み、写真と空間芸術が融合した新たなアートの形を提示しています。花や昆虫、反射する水面といった身近なモチーフも、宇宙的視点から命の輝きを表現。 伝統的な日本美術を想起させる構図や余白、墨のようなシルエットによって、現代の花鳥画とも呼べる風景を描き出しています。 光と空間が抽象へと昇華する川村氏の作品は、観る者の想像力を刺激し、深い感動を呼び起こします。
日本の伝統に宿る美しさと自らの洗練された感性を巧みに取り合わせることで、独実の芸術世界を展開している染人・小川良子の作品集。日本の伝統美と洗練された感性を融合させた独自の芸術世界を展開しています。花や果物、自然などを主題に、古典的な染色技法を生かしつつ、繊細な線と鮮やかな色彩で命の美しさを表現。構図や色遣いには独創性があふれ、線一本一本から感情や物語を感じられます。見過ごされがちな日常の感動を丁寧にすくい取り、新たな可能性として提示する作品集です。「愛のシリーズ」では精神的・肉体的な愛を多彩に描き、手染めの温もりと鋭いアート性が共存する表現が光ります。白黒や多色の作品いずれにおいても、美しさと純粋さが線に宿り、極めて洗練された空間を創出。自然と人間への深い愛に満ち、鑑賞者の心に静かに語りかける小川氏の作品は、永遠に輝き続ける芸術として高く評価されています。
伝統と現代の感性が静かに交差するモノクロームの世界。 宮内勝廣氏の作品集「舞妓つれづれ」は、祇園や宮川町など京都の町並みに息づく芸舞妓の日常を、詩的な視点で切り取った珠玉の写真群です。 そこに描かれるのは、華やかな舞台姿ではなく、ふとした瞬間に垣間見える素顔。 日差しと影が織りなす情緒、繊細な所作やまなざしの中に、見る者は時を忘れ、幻想的な世界へと誘われます。 すべての構図とアングルに意味が宿り、不要なものをそぎ落とした画面には、写真でしか表せない美が際立ちます。 H.C.=ブレッソンの哲学を胸に、鋭い観察眼と研ぎ澄まされた感性で「決定的瞬間」をとらえる宮内氏のまなざし。そのレンズを通して私たちは、芸舞妓という存在の奥にある、より深く、豊かな人間の美しさと出会うことができます。
豊かな色彩と緻密な構図によって紡がれた、吉川和子氏による魅惑の芸術世界を堪能できる一冊です。 肖像、風景、静物とジャンルを横断しながらも、すべての作品に通底するのは、観る者の想像力をかき立てる圧倒的な構成力と情感。 とりわけ静物画においては、椅子や花瓶、花束などのモチーフが、それぞれ強い個性と物語を帯びて画面に存在し、単なる写実にとどまらない心象風景を描き出します。 構図に込められた意識と空間のとらえ方は、マティスを思わせる感性に通じ、織物の折り目や絨毯の文様までが、画面に奥行きと豊かさを与えています。 花々は詩情をたたえ、人物の不在すらも空間の一部として語りかけてくる。静かに、しかし確かに、観る者の心をとらえる𠮷川氏の作品は、まさに“芸術の輝き”そのものです。
洋画家・井波谷栄氏による作品集『光彩』は、1990年からの画業の中から未発表作品を厳選し、色彩豊かな世界を紡ぎ出しています。花咲く草原や人々の営み、街の風景など、日常の中にある美しさを鋭くとらえ、あたたかな色と繊細な構図で描かれた作品群には、命や自然への深い慈しみがあふれます。海外でも高く評価された国際的感性と、日本的美意識が響き合い、観る者の心にやさしく寄り添う一冊です。生きることを芸術に昇華させた、井波谷氏の静かな情熱と希望の光が詰まっています。
本作品集は、伝統的な日本の美を現代に昇華させたアーティスト・鮎澤まゆみによる珠玉の押し絵作品を一堂に収めた、貴重な記録です。押し絵・木目込み人形・衣裳人形の師範として長年研鑽を積み、国内外の展覧会で高く評価されてきた鮎澤氏。その表現は、古典的な形式の枠を超え、登場人物の内面や情感を映し出す詩的な世界観を確立しています。歌舞伎や能、平安の雅な情景、たおやかな女性像――そのすべてが、彼女の繊細な手仕事と深い精神性によって立体的に立ち現れます。きらびやかな色彩と複雑な布の重なりに宿る技巧だけでなく、魂を宿すような創作の姿勢が貫かれており、ページをめくるたびにその緊張感と美しさに引き込まれることでしょう。日本の精神文化を発信し、多くの来場者の心を打った芸術の力が、本書からも確かに感じられます。本作品集は、日本文化の美と精神を未来へ手渡す一冊であり、世界中のアートファンや日本文化愛好家にとってもかけがえのない出会いとなることでしょう。
生命を持つかのようなストロークから生み出される、深く鮮やかな精神性。書道の師範としての経歴を活かして、東洋の象形文字をひとつのベースに自身の絵画世界を築き上げてきた画家です。エルミタージュ美術館学芸員による評論文が作品の鑑賞価値を高めます。
50余年にわたって禅宗の開祖・達磨大師を描き続けてきた画僧の代表作、約40点を収録。