川村泰史「自然礼讃、そして平和への希求」
光の操作と実験的手法を駆使し、革新的な写真表現を確立してきた川村泰史作品集。
芸術の都パリ、ギャラリー・オルシャンで行われた氏の個展『平和への 希求』に併せて出版されたものです。
「平和の折鶴」シリーズでは、新聞や憲法条文といったテクストと光を融合させ、折鶴や星が浮かび上がる幻想的な空間を創出。平和への祈りと日本の立ち位置を問いかける強いメッセージが込められています。
作品はインスタレーション的要素を含み、写真と空間芸術が融合した新たなアートの形を提示しています。花や昆虫、反射する水面といった身近なモチーフも、宇宙的視点から命の輝きを表現。
伝統的な日本美術を想起させる構図や余白、墨のようなシルエットによって、現代の花鳥画とも呼べる風景を描き出しています。
光と空間が抽象へと昇華する川村氏の作品は、観る者の想像力を刺激し、深い感動を呼び起こします。