羽下昌方「日本に生まれて」
国内外で高く評価され、スペイン、フランス、ベトナムをはじめとする国際舞台でも活躍してきた陶芸家・美術家、羽下昌方。その独自の芸術観と人生哲学を綴った一冊が、本書『日本に生まれて』です。陶芸と絵画の創作を通じて人生と向き合い続けてきた著者が、人生・芸術・真理について、自己の内面と社会の在り方を往復しながら紡ぎ出した、深い精神的探求の書でもあります。物質的な満足にとどまらない精神的充足を求め続けてきた羽下氏のまなざしは、現代を生きる私たちに「個」としての覚醒と連帯の可能性を問いかけます。創作の現場から生まれた哲学的随想としても、芸術家の精神的自伝としても読み応えある一冊。静かに、しかし力強く心に響く言葉の数々が、読む者の内面に火を灯します。