スペイン最大の日本文化イベント「MANGA BARCELONA(マンガ・バルセロナ)」。訪れる16万人以上の日本ファンに、より本格的な日本の伝統・美を伝えたいとの主催者の招聘を受け、新パビリオン「NAGOMI」の立ち上げが決定しました。記念すべき第30回MANGA BARCELONAに向けて、その発足の経緯と思いを深掘りします!
イベント名:第30回MANGA BARCELONA(マンガ・バルセロナ)
会期:2024年12月5日(木)~8日(日)
会場:FIRA BARCELONA GRAN VIA
公式HP:https://www.manga-barcelona.com/
日本を、もっと深く、もっと楽しく
発端は、漫画を扱う現地の出版社が売上を伸ばそうと始めた「MANGA BARCELONA」。現在では、ポップカルチャー関連にとどまらず、スポーツや食、旅行、書道など、様々な側面から日本を体験できるイベントへと発展しています。来場者は、身近な作品に描かれている“ニホン”という国に、興味津々です。
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「バルセロナのファンにも、高品質な日本文化を!」
今年30周年を迎えるにあたり、さらなるイベントの進化を目指す中で、主催者が狙いを定めたのは、パリのJAPAN EXPOで見たパビリオン「WABI SABI」でした。
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「パリでWABI SABIを訪れて、感動しました。とても素晴らしかった! あの質の高い日本文化をスペインの人たちにも体験してほしい」と、主催者から私たちに、度重なるアプローチがありました。

新パビリオン「NAGOMI」発足!
招聘を受け、視察に行った2023年度のMANGA BARCELONAで見たのは、スペインの日本ファンの情熱と、旺盛な好奇心でした。これはきっと、伝統工芸やアートといったこれまでになかったジャンルも喜んでもらえると思い、新しいパビリオンの立ち上げを決定しました。
その時思い描いたのは、見たことのないような逸品との出会いや、アーティストとのコミュニケーションを楽しみ、思わず笑顔になる……そんな和やかなパビリオンです。そうして、パビリオン名「和み(NAGOMI)」が決定しました。

スペインから届く期待の声
約1万人の日本人が暮らすパリに比べ、バルセロナに住む日本人は約1900人と、“ホンモノ”の日本に触れる機会がまだまだ少ないバルセロナ。一方で、和食レストランや和菓子店は人気を誇り、日本への関心は非常に高いと言えます。
在バルセロナ日本国総領事館の佐藤靖総領事(当時)も、こう期待を寄せます。
「スペインに日本文化が浸透し続けている象徴の一つとなっているイベントを、(アーティストの)皆様にはぜひ活用いただき、そして一緒に日本文化を盛り上げていくことができたら大変幸いに存じます」

パビリオン名の「和み」漢字は、「二つの物事を一つに調和させる」という意味も持ちます。ここでの出会いが、まさに日本とスペインの架け橋になるものと信じています。