小川良子「恋の実いくつ」
日本の伝統に宿る美しさと自らの洗練された感性を巧みに取り合わせることで、独実の芸術世界を展開している染人・小川良子の作品集。日本の伝統美と洗練された感性を融合させた独自の芸術世界を展開しています。花や果物、自然などを主題に、古典的な染色技法を生かしつつ、繊細な線と鮮やかな色彩で命の美しさを表現。構図や色遣いには独創性があふれ、線一本一本から感情や物語を感じられます。見過ごされがちな日常の感動を丁寧にすくい取り、新たな可能性として提示する作品集です。「愛のシリーズ」では精神的・肉体的な愛を多彩に描き、手染めの温もりと鋭いアート性が共存する表現が光ります。白黒や多色の作品いずれにおいても、美しさと純粋さが線に宿り、極めて洗練された空間を創出。自然と人間への深い愛に満ち、鑑賞者の心に静かに語りかける小川氏の作品は、永遠に輝き続ける芸術として高く評価されています。