バルセロナは、その豊かな芸術遺産で有名です。特に知られているのが、サグラダ・ファミリアをはじめとした、建築家、アントニ・ガウディの作品群です。バトリョ邸やグエル公園など、その生き生きとした唯一無二のデザインは必見です。
2026年にいよいよ完成と言われる、サグラダ・ファミリア
ピカソがそのキャリアのスタートを切ったのは、バルセロナでした。市内には、本人の希望によって設立された「ピカソ美術館」があり、常設コレクションには約5,000点の作品が展示されています。
バルセロナ生まれのミロの作品を収蔵した「ミロ美術館」も、市内から30分ほどの「モンジュイックの丘」にあります。ふるさとに自分の作品を残したいと、作家が自ら市に寄贈した作品が多く展示されています。
モンジュイックの丘からバルセロナ市街方面を望んだ夕景
芸術家たちに豊かなインスピレーションをもたらしたに違いないエリアが、市の南側に広がる地中海です。冬になっても明るい陽光が差す海岸線には、観光客はもとより地元の人も散歩に訪れます。ビーチには、ハイシーズンにはない落ち着いた時間が流れます。
街の喧騒から離れてバルセロネータビーチでリラックス
12月といえば、クリスマス。町の広場ではクリスマスマーケットが開催され、歩いて通るのが困難なほど賑わいます。バルセロナの天気は東京と似ていて、欧州としては比較的、温暖な気候が魅力です。そのためか、フランスやドイツとは一味違う、スペインならではの開放的で明るい雰囲気が漂います。
明かりがともり始める夕暮れのクリスマスマーケット
街に繰り出した人たちのお目当ては、クリスマスデコレーション。バリエーション自体はあまり多くなく、ほとんどのスタンドが、もみの木やヒイラギを使ったナチュラルで伝統的な飾りを販売しているのが特徴。「手作りの温かさ」が、家族団らんの季節であるクリスマスに喜ばれるのでしょう。
見ているだけでクリスマスが待ち遠しくなるスタンド
バルセロナが位置するカタルーニャ地方の名物といえば、しゃがんで排便する「カガネル人形」が知られていますが、もう一つ、丸太に顔を描いた「カガ・ティオ」というクリスマスの人形もあります。なんと、これも「子どもたちがおしりを棒で叩くと、お菓子を『排泄』する」というもの!
一見ユニークなこの風習は、自然の連鎖によってもたらされる豊穣への感謝を象徴しているそう。そう考えると、自然への感謝や敬意を大切にする、私たちの日本文化とも通じるところを感じます。
1つずつ表情が違うカガ・ティオ。どれにしますか?
すでに訪れたことがある人にも、まだ行かれたことのない人にも、バルセロナの雰囲気を伝えられていたら幸いです。Chao(またね)!
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