観光リゾート地として世界中の人々が集い、また、アート業界の育成・発展にも国を挙げて力を注ぐ、シンガポール。同国を舞台に今回開催されたのが「JAPAN TIDE~日本の潮流~at National Museum of Singapore」です。ジャパンプロモーションでは、文化交流の活性化を目的に2017年より始動した、日本文化発信事業「JAPAN TIDE(ジャパン・タイド)」の一環として、本展覧会を企画・運営いたしました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、様々な制限下のもとでの開催ではありましたが、たくさんの方々に足をお運びいただき、想像を上回る盛況ぶりでした。
JAPAN TIDE~日本の潮流~at National Museum of Singapore
■会期:2022年4月22日(金)~24日(日)
■会場:シンガポール国立博物館

由緒ある会場を舞台に

会場となったNational Museum of Singapore(シンガポール国立博物館)は、シンガポールの歴史と最新技術を体感でき、また同国最古の美術・博物館として知られています。1887年に開館、130年以上の時間を経てきた建造物です。
展示フロア前のミュージアムショップには、北斎の版画や、日本の工芸品も販売されていました。また、会場付近の街道には、日本の某人気アニメの原画展の広告も。随所に、日本への関心の高さを強く感じました。
親日国としても有名なシンガポールですが、今回はアート分野を通しての文化交流です。現代の日本の芸術と、シンガポールの歴史が、見事にコラボレーションした3日間でした。



子どもから大人まで、日本のアートに釘付け

フランスやドバイ、また日本の美術館での個展やアートイベントの開催を運営する機会はありましたが、同館での展覧会は、ジャパンプロモーションにとって初の試みでした。
歴史的な博物館が会場ということもあり、日本国内での個展や通常のアートフェアとは、また一味違った重厚感と、気品が館内に漂っていました。
とくに目に留まったのは、作品一つ一つを、じっくりとかけて鑑賞される方の姿です。作品を指さしながら会話を楽しむ家族や、お気に入りの作品を見つけ写真におさめる方、作品を前に近づいたり離れたりと、隅々まで入念に鑑賞されている方など、皆様、日本から来たアート作品が醸し出す雰囲気を楽しまれている様子でいた。年齢問わず、純粋にアートを楽しんでいる様子が強く伝わり、日本よりも、美術・芸術が身近にあるように感じました。
また、来場された方からは、日本のアート・アーティストに対しコメントもいただきました。
帰り際には渡航したアーティストへ「楽しかった」「ありがとう」と、声を掛けられる場面もあり、とても和やかな時間となりました。




来場者の中には、こんな方々も!
会場内には、現地在住の方はもちろん、欧米人の方、観光客の方など、様々な人々が足を運ばれました。渡航したアーティストと来場者が作品を通じて直接触れ合い、語り合うといった貴重なひとときを存分に楽しまれていました。




会場には一般来場者の他にも、ギャラリストやアートディレクター、コレクター、アーティスト、ファッションデザイナー、Instagramを中心に活躍するインフルエンサーなど、クリエイティブ業界からも、多くの方々がいらっしゃいました。国際的に活躍するアーティストを数多く輩出する、アートギャラリーのマネージャーの姿も見られ、大変興味を持たれているようでした。
ジャパン・クリエイティブ・センター・在シンガポール日本国大使館館長からは「シンガポールの皆さんはこの2年間、コロナの関係でなかなか日本に行くことができていません。また、こういった日本のアーティストの展覧会というものもシンガポールでは行われていませんでした。今回、数多くの日本人アーティストの作品を展示していただき、非常にシンガポールの皆さんも関心が高かったのではないかと思っております」、「ぜひ機会がありましたら、ジャパン・クリエイティブ・センターでもこのような展覧会をしていただけると大変ありがたく思います」と、コメントをいただきました。
アートを通した文化交流
日本人アーティストの作品が、国を越え披露された「JAPAN TIDE~日本の潮流~at National Museum of Singapore」。ジャパンアートそのものへの関心が高まっていることも伺え、アートを愛するシンガポ―リアンの心をつかんだ、実りある3日間でした。まだまだ世界の情勢は不安定なままですが、国と国、人と人とをつなぐアートの力の強さを実感した展覧会でした。
